君が好きだ。
ふとした一瞬にときめくほどに。






  白するティータイム






そう例えばこんな時。

「綱吉も珈琲飲み… 飲めますか?」
「…コーヒーでいい。あ、でも甘くして… 牛乳も… 」
「カフェラテですね。」

綱吉が珈琲を飲めることが、僕にとっては結構意外なことだった。
君は段々と成長していくんですね。苦々しい珈琲が口に馴染むほどに。
それでも背伸びして珈琲を飲む君が、たまらなく愛しい。
ミルクのほかに、心持ち砂糖を多めに入れたのは内緒だけれど。
子供っぽいと思っていたのに、ふと見せる凛とした表情。
成長期特有のさまざまな表情に、咽返るような魅力を感じている。

それに僕が当てられるって事を、君は果たして知っているのか知らないのか。


そう例えばこんな時。

「骸、ミルクとレモンどっちがいい?」
「ミルクでお願いします。綱吉?」
「何か意外かも…。」

そう、本当に意外だったんだ。普段は妙に大人びるくせに。
好きなものを選ぶ無意識の行動だけは、やけに年相応で。
絶対にレモンを選ぶだろうな… と、思った俺の予想なんか引っ繰り返して。
甘いもの… お菓子なんか全然自分からは食べないのに。ミルクティーを選ぶなんて。
でもそんなところに、骸は俺と同じ世界に住んでる人なんだなって安心してる。

言ったら絶対に調子に乗るだろうから、言ってあげないんだ。




独り言は伝わらない。