ディナーまでのひと時
君が好きな夕飯のメニューにデザート。
食べたいって言うから、俺が作ったのが好きって言うから。
だからエプロン着て、キッチンに立ってるんだけどなぁ…
「なー、リトリトぉー」
「あーっもうくっつかない!」
もう、料理どころじゃありません…
俺の背中にぎゅーっと抱きついて頭をぐりぐりしてるポーランド。
いま、料理中なんだけどなぁ。
…手に持ってるのが包丁じゃなくてよかった。
ぐつぐつ言い始めた鍋をお玉で混ぜているだけだからいいけど…
だってどんなに危ないって言ったって、どうせ離れてくれないんだから。
ぐりぐりのくすぐったさに振り返ると、によによしてるポーランドと目があった。
「結局リトは俺のこと大好きなんよー!愛してるーっ。」
「そ、そんな変な意味の好きじゃないって!」
「早く素直になれしー。リトらしく可愛くなれしー。」
背中から腰にぎゅっと抱きつく腕が下がる。
つぅっと脇腹をなぞりながらのそれはビクッとするのに十分すぎるものだった。
脇腹はだめだってば、すっごくくすぐったいんだから!
「…あぁもう、なんでそんなにからかうの! …たまには僕がポーランドのこと苛めてもいいよね。」
「んー??」
お玉を鍋に突っ込んで、くるりと振り返る。
小首をかしげて何々?って顔をするポーランドを抱きしめて、おでこに軽いキス。
そのあとで閉じた瞼を吸って、ピンク色のほっぺたにもキスをした。
ゆっくりと唇を離すと、そっちもゆっくりと開いた瞳と目が合う。
何回かパチパチ瞬きした後に、ほっぺたがぷくっと膨れた。
「えー、リトこんだけー?こっちにチューは?」
そう言って人差し指をとんとん、唇にあててるポーランド。
リップクリームのおかげで柔らかそうなそれは、とてもとても魅力的だったけれど…
「……精一杯です。」
えー!という避難と、鍋が噴きこぼれるのはほぼ同時だった。
リトポはわがまま姫と気苦労従者だと信じて疑いません。
…あと、百合??←
振り回されてんのにまんざらじゃない感じで書いてみました。
リトー、がんばれー!
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